日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2007年度年会
セッションID: G4-07
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G4:深成岩及び変成岩
東南極のリュツォ・ホルム岩体、ルンドヴォークスヘッタ地域で見出された高温型エクロジャイト様岩について
*廣井 美邦本吉 洋一
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抄録

東南極大陸、リュツォ・ホルム岩体のルンドヴォークスヘッタ地域は角閃岩相からグラニュライト相への累進変成作用の最高温度部に位置し、約1000℃の超高温変成作用が進行したものと考えられている。その地域から、新たに、高温型のエクロジャイト様岩が見出された。それは主としてザクロ石と単斜輝石、斜方輝石によって構成され、少量のホルンブレンド、黒雲母、斜長石、石英、ルチル、イルメナイトを伴う。ルチルのラメラを含むザクロ石は斜方輝石と斜長石のシンプレクタイトによって部分的に置換されており、高温減圧を示唆する。もっとも注目に値するのは単斜輝石の産状で、ラメラ状の斜長石を含むことがあるが、それは減圧時に単斜輝石中に固溶していたCa チェルマック成分とヒスイ輝石成分が石英と反応してできたものと考えられる。また、単斜輝石は組成的に不均質で、特にAl とNa に富むものとCa とSi に富むものとの間に、わずかではあるが明瞭な組成ギャップを示すことがある。

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© 2007 日本鉱物科学会
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