日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2007年度年会
セッションID: G4-P05
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G4:深成岩及び変成岩
蛇紋岩中のシュ-ドタキライト様岩石の電顕観察
*上原 誠一郎西山 忠男森 康重野 未来
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抄録

シュ-ドタキライトは断層の化石とも呼ばれる岩石で,地表に現れているほとんど唯一の震源断層の物質であるとされており,脈状またはネットワ-ク状に産する細粒・緻密・隠晶質の岩石で,大小様々な粉砕岩片を含んでいる。今回検討した試料は長崎変成岩に属する蛇紋岩中の緑色脈状を成す岩石である。TEM及びSTEMにより組織観察等を行った.偏光顕微鏡下では鉱物組織が非常に微細でありほとんど非晶質に見えるが,X線回折ではリザーダイト,クリソタイル,アンチゴライトの混合物と推定された。TEMによる微細組織観察から長さ1μm程度で幅200 nm前後の柱状結晶が主成分鉱物であることが明らかになり,この柱状結晶の断面は15角形あるいは30角形を示しており,多角柱状蛇紋石である。光学的には非晶質と推定されるシュ-ドタキライト様岩石は電顕観察から微細な蛇紋石鉱物から成ることが明らかになった。

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© 2007 日本鉱物科学会
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