日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会2008年年会
セッションID: R3-P05
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R3:岩石・鉱物・鉱床一般
含ざくろ石流紋岩の溶融実験によって生成したP2O5に富むザクロ石
*鶴田 朋己有馬 眞
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抄録

丹沢山地には、高いP2O5を含有するザクロ石が流紋岩中に認められ、P2O5含有量は最大2.1wt% に達する(有馬、山下,1994,岩鉱 89:166)。自形ザクロ石斑晶の周辺部が、P2O5とMnOに著しく富む樹枝状結晶に囲まれおり、その最外部に燐灰石が認められる。P2O5に富むザクロ石の生成条件を検討するため、丹沢含ザクロ石流紋岩の溶融実験を850-1050℃、0.5-1.5GPaで行なった。0.0-0.5wt %のH2Oを加えた岩石粉末を出発物質として用いた。 実験で生成したザクロ石は、半自形から他形で、ほとんどの結晶が石英を包有していた。ザクロ石のP2O5含有量は1.5GPaの実験で最も高く1.8wt %に達した。1.5GPaの実験生成物には燐灰石が存在した。丹沢含ザクロ石流紋岩に認められたP+Fe3+=2Si置換と同様な組成変化が実験生成物に認められた。

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© 2008 日本鉱物科学会
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