日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2009年年会
セッションID: R7-02
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R7:地球表層の鉱物科学
含水炭酸カルシウム鉱物の生成と安定性
*宗本 隆志福士 圭介
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抄録
炭酸カルシウム鉱物の1つであるモノハイドロカルサイト(;以下MHC)は塩湖や海水環境における現在の堆積物から確認されている。最近では甲殻類などの甲皮を形成する炭酸カルシウムの構造がMHCと合致することが報告されている。このことから、MHCの生成は炭酸カルシウムの生成に重要な役割を果たしている可能性が示唆される。本研究ではMHCについて、鉱物の定量的な生成条件である溶解度積を決定した。本研究で得られたMHCの溶解度積は温度の上昇に伴って増加した。そのため、MHCは低温条件において安定な鉱物であると考えられる。また、5˚C以下の温度条件においてMHCの溶解度積は、ヴァーテライトより低くなることが確認された。この結果から、MHCは低温条件において3番目に安定な炭酸カルシウム鉱物であるといえる。
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