日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2010年年会
セッションID: R4-04
会議情報

R4:変成岩及びマグマプロセス
天竜地域「三波川帯」の堆積年代及び変成年代
*堤 之恭宮下 敦堀江 憲路板谷 徹丸白石 和行
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

静岡県西部・天竜地域に分布する三波川帯の西部・東部両ユニットからそれぞれ砂質片岩を採取し,同一資料に対して白雲母K-Ar年代及び砕屑性ジルコンのU-Pb年代測定を行った.その結果は,西部ユニットの試料の白雲母K-Ar年代は70 Maを示した.ジルコン年代は、年代分布は93~96 Maで,それらの平均は94 Maを示す.一方で,東部ユニットの試料の白雲母K-Ar年代は55 Maを示し,砕屑性ジルコンの年代はいくつかのピークを持ち,最も若い年代は73 Maを示す.それぞれの年代値を考慮すると,西部ユニットが変成していた時点で,東部ユニットは堆積段階であったことが示される.これは,堆積―変成年代の異なる複数のユニットの存在を示すものと思われる.また,天竜地域に於いても付加年代が後期白亜紀である事が明らかになり、いわゆる「120 Ma変成岩」の存在は確認できなかった.

著者関連情報
© 2010 日本鉱物科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top