抄録
1気圧から20キロバ-ルまでの圧力範囲で,800 °Cから1500 °Cまでの温度範囲での高温高圧実験により,ルチルと共存する石英中のTi含有量がRTlnX=-8504-4.975T-39.7Pと求められた.ここでXは石英中のTiモル分率である.この結果はTi固溶量の圧力依存性はあまり大きくないことを物語っている.WarkとWatson (2006)による実験結果は今回の結果よりも系統的にTi固溶量を小さく見積もっている.このためにWarkとWatsonの温度計は,我々の温度計よりも200 °C程度高温の変成温度を導くことになる.