東松浦玄武岩の希土類鉱物の鉱物学的特徴と,monaziteとxenotimeに見られるLREEとHREEの分別などを比較して東松浦玄武岩における希土類鉱物の晶出過程を議論した。まずrhabdophaneが比較的高い温度で晶出する。高温のためにLREEとHREEの分別が起こらず,幅広い化学組成をもちイオン半径の小さなYも多く含む。次に,より低温な状態になると球晶型のkozoiteが晶出し,その後熱に弱いtengerite family鉱物とlanthaniteがほぼ同時期に常温に近い低温域で晶出する。このとき,LREEはlanthaniteへ,HREEはtengerite familyに含まれる。最後に熱に非常に弱いlanthaniteの一部が脱水分解してkozoiteになる。このことはこのkozoiteの多くがlanthaniteの仮像を残すことからも分かる。