日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本地質学会第118年学術大会・日本鉱物科学会2011年年会合同学術大会
セッションID: R3-P02
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R3:高圧科学・地球深部
カンラン石-斜方輝石間の水の分配におけるFe・Alの効果
*櫻井 萌辻野 典秀高橋 栄一河村 雄行
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抄録
本研究では最上部マントル条件での、カンラン石-斜方輝石間の水の分配実験を行い、分配に与えるFe・Alの効果を調べた。出発物質には合成したMg#の異なる4種類の斜方輝石及び、合成したカンラン石、または、天然のカンラン石(KLB-1)を用いた。カプセルにはAuPd合金を使用した。試料には粉末を用い、Mg#の等しい2種類の斜方輝石でカンラン石を挟み、層状に重ね、円柱状に押し固めたものをカプセルに封入した。酸素雰囲気はMo-MoO2により制御した。温度圧力条件は1.5, 3万気圧・1300℃である。含水量の定量には全真空型FT-IRおよびPatersonの式(M. S. Paterson, 1982) を用いた。結果、カンラン石-斜方輝石間の分配に与えるAlの効果は大きく、Alを含むことで選択的に斜方輝石に水が入りやすくなることがわかった。また、IRの吸光スペクトルはブロードなピークを持つようになった。一方、Feの効果はAlほど顕著にはみられなかった。
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© 2011 日本鉱物科学会
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