日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本地質学会第118年学術大会・日本鉱物科学会2011年年会合同学術大会
セッションID: T5-P08
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T5:地殻流体のダイナミズム:変形および変成作用に及ぼす流体の影響
オマーンオフィオライト底部かんらん岩の記載岩石学
*石丸 聡子荒井 章司田村 明弘Khedr Mohomed ZakiPython Marie
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抄録
北部オマーンオフィオライトの底部かんらん岩の岩石学的・地球化学的性質を記載し,オフィオライト衝上時に形成される下位の変成岩(ざくろ石角閃岩)から底部かんらん岩へH2Oなどの流体が付加することによる元素移動について考察する. かんらん岩は,ざくろ石角閃岩-かんらん岩境界から離れるに従ってレールゾライトからハルツバーガイトへと変化し,全体として蛇紋岩化の程度は低い.ざくろ石角閃岩-かんらん岩境界から50 m程度までは,かんらん岩中には角閃石(ホルンブレンド)が普遍的に存在するが,その量は離れるに従って減少する。単斜輝石と角閃石の希土類元素パターンは,ざくろ石角閃岩-かんらん岩境界近傍では軽希土類元素にエンリッチしているが,境界から離れるに従ってその濃度は減少し,25 m程度離れた試料では検出限界以下となる.オフィオライト底部では,H2Oによっていくつかの不適合元素の付加が認められた.
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© 2011 日本鉱物科学会
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