日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本地質学会第118年学術大会・日本鉱物科学会2011年年会合同学術大会
セッションID: T6-05
会議情報
T6:火成作用と流体
活動的火山における深部二酸化炭素の輸送現象の実態
*吉村 俊平中村 美千彦
著者情報
キーワード: H2O, CO2, 反応輸送過程
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

マントルに貯蔵されているCO2は,主に活動的火山を通じて大気へ放出される.このとき,マグマ中でのCO2輸送は,CO2フラクシング,すなわち,既存のマグマに外部(深部)からCO2に富む流体が供給され,系全体をCO2に富む組成に変化させる現象がによって行われていると考えられるが,その詳細なメカニズムは知られていない.そこで著者らはCO2フラクシングの基本概念を反応輸送過程としてモデル化し,その特徴を明らかにするとともに,このモデルをCO2フラクシングを記録していると考えられる天然のメルト包有物のデータ(エトナ火山)に適用することで,輸送メカニズムを定量的に明らかにした.その結果,CO2フラクシングの起こり方のひとつとして,圧力440MPaの深度からXCO2=99mol%の流体が∼32g/m2sの流量で注入され,揮発性成分を交換しながら速度>∼10-4m/sで上昇するという解を得た.

著者関連情報
© 2011 日本鉱物科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top