日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2012年年会
セッションID: R1-02
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R1:鉱物記載・分析評価
顕微メスバウアー分光器の製作と地球科学への応用
*篠田 圭司副島 啓義小林 康浩
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抄録

鉱物中の鉄イオンの価数比(2価3価比)はその鉱物の生成時の酸素分圧や、生成後の高温酸化、低温酸化、風化作用などの過程を反映していると考えられるので、地球科学的に重要な意味を持つ。鉱物中の鉄の2価3価比を精度よく見積もる方法は地球科学分野ではメスバウアー分光法が主要な方法である。メスバウアー分光法は鉄の分析法としてたいへん優れた方法であるが、ガンマ線を集光する手段がないため、顕微分光に適さない。近年、X線集光用のマルチキャピラリーX線レンズ(MCX)が開発され、X線回折に応用されている。このX線集光用MCXを鉄の顕微メスバウアー分光に応用する試みが、吉田・副島(2010)によって始まっている。筆者は地球科学的試料とDACに最適化させた、MCXを用いた顕微メスバウアー分光器の製作を始めた。発表ではこの分光計によるビーム評価といくつかの測定例について報告する。

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© 2012 日本鉱物科学会
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