日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2012年年会
セッションID: R1-04
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R1:鉱物記載・分析評価
宝石質天然ダイヤモンドの包有鉱物及びCL像の研究 — ダイヤモンド成長史への示唆 —
*北脇 裕士
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抄録

宝石質天然ダイヤモンドの包有鉱物及びカソードルミネッセンス像の研究を行った。
包有鉱物の調査から宝石質ダイヤモンドの多くはP-タイプであり、CL像の観察結果からダイヤモンドの結晶が駆動力の小さい平衡に近い状態で成長したことを示唆していた。従って、P-タイプダイヤモンドの多くは、上部マントル超苦鉄質マグマ中で生成したと考えられる。
一方、ピンクダイヤモンド等に見られるE-タイプの多くは、Mixed-habit Growthを示しており、中心部は{100}、外郭は{111}で構成されている。Mixed-habit Growthの中心部はC, H等の過飽和度が高く駆動力の大きな環境下で成長することにより{100}成長分域が発達し、外郭は駆動力の小さな平衡に近い状態で成長することで{111}の成長分域が発達したのではないかと考えられる。そして、このような成長環境の変化は、沈み込み帯の超高圧変成岩中でできたマイクロダイヤモンドが深部に沈み込み、超苦鉄質マグマ中でさらに成長したというプロセスに求めることができる。

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