抄録
数十GPaを超える超高圧の環境(マントル内部)では、ペロブスカイト構造は非常に一般的な構造である。TiO6八面体と金属Rで構成されており、 TiO6 八面体は金属Rとの相互作用により容易に歪み、対称性の低い斜方晶や正方晶に相転移する Ti原子が局所的に歪む(オフセンター)ことで分極し、強誘電性を持つものもある。この時の歪みのモデルには二つの歪みのモデルがあり、ひとつはオフセンターによる歪みと、もうひとつが 格子振動による歪みである。 常誘電体におけるTi原子の歪みについてと、強誘電性メカニズムにおいて、温度変化、圧力変化による歪みの変化について議論の余地があるXANESを用いた広い温度範囲で強誘電性ぺロブスカイトの局所的な歪み、電子構造を解析し、これまでの研究結果と比較することで、強誘電性の温度変化と圧力変化の関係、Ti原子の歪みについて再検討を行う