Hiroi et al. (2010, 2013) が報告した高温広域変成岩(グラニュライト)中の珪長質火山岩様の非平衡急冷組織が形成された条件や保存された理由を理解するために、実験的な研究を行った。
様々な冷却速度で様々な温度まで冷却する実験を行った結果、冷却速度や過冷却度、継続時間が結晶の形態と粒径に影響を及ぼすことが明らかになった。特に、継続時間と共に、石英結晶が樹枝状から骸晶状に変化し、石英+長石との連晶が球晶状からグラノフィリック状に変化する。しかも、石英+長石の連晶ではKに富む部分とNaに富む部分が不均質に分布している。また骸晶状のアルカリ長石の化学組成がばらつく。