キンバーライトはマントル起源の岩石で、揮発性元素に富む特徴を持つ。また、ハロゲン元素は揮発性元素で、地殻やマントル、海水、間隙水、堆積物で異なる元素比を持つ。このことから、キンバーライトのハロゲン元素組成とその特徴を調べることで、キンバーライトマグマが生成するマントルでのハロゲン元素の分布やその起源に関する知見を得られる可能性がある。そこで、本研究は6カ国で採取されたキンバーライトとその捕獲岩中のCl, Br, I濃度の分析を行った。その結果、キンバーライトは産出地域や噴出年代に関係なくI/Br比から2つのグループに分類でき、一つはマントルのI/Br比を、もう一つは海水起源のハロゲン元素の影響を受けたI/Br比を示していることが分かった。