日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2013年年会
セッションID: R2-P11
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R2:結晶構造・結晶化学・物性・結晶成長・応用鉱物
X線光電子分光法によるケイ酸塩鉱物中のアルミニウムの状態分析
*瀬山 春彦
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抄録

X線光電子分光法(XPS)により、ケイ酸塩鉱物中のAlの2p光電子およびKL23L23オージェ電子スペクトルを測定し、その化学結合状態について調べた。ケイ酸塩鉱物のAl KL23L23オージェ運動エネルギーは、テクトケイ酸塩、フィロケイ酸塩、ネソケイ酸塩の順に値が増加し、ケイ酸塩骨格中の負電荷の増大による高運動エネルギー側へのシフトと推定された。Al 2p結合エネルギー値とAl KL23L23オージェ運動エネルギー値の和(Al オージェパラメータ)は、正八面体六配位Alの方が正四面体四配位Alより大きく、オージェ過程における周囲の酸化物イオンの負電荷から受ける緩和効果の違いを反映していた。Al オージェパラメータの値は鉄礬柘榴石が最大で、そのAl 2p結合エネルギーとAl KL23L23オージェ運動エネルギーはアルミナの値に近く、化学結合状態はアルミナに類似していることが示唆された。

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