日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2013年年会
セッションID: R5-09
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R5:宇宙物質
NWA1950火星隕石中黒色カンラン石に見られる微細組織
*竹之内 惇志三河内 岳小暮 敏博井上 紗綾子
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抄録

火星隕石に含まれる一部のカンラン石は強い衝撃作用により黒色化しており,元のカンラン石とは異なる特性を示す.これはカンラン石中に晶出した平均20 nm程度の大きさの金属鉄や磁鉄鉱のナノ粒子が原因であるが,これらの鉄ナノ粒子の形成過程や衝撃圧・温度との関係は詳しくわかっていない.我々はこれまでに,レールゾライト質シャーゴッタイトNWA1950隕石の電子顕微鏡による詳細な観察により,新たな鉄粒子の存在形態を報告した.そこで本研究ではよりマクロなスケールで観察を行い,鉄粒子とカンラン石の微細構造の存在形態を明らかにした.カンラン石では鉄粒子の存在と共に,カンラン石の高圧相の可能性があるラメラ状領域などが存在し,鉄粒子の形成にはこれらの高圧鉱物が関与している可能性が示唆された.それらの領域の関係を今後も詳細に調べることで鉄粒子の形成過程の解明や衝突現象への新たな指標の付与ができることが期待される.

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© 2013 日本鉱物科学会
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