日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2013年年会
セッションID: R5-11
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R5:宇宙物質
非破壊・微小部分析によるシリカ高圧相の同定と記載
*鹿山 雅裕大谷 栄治宮原 正明金子 詳平西戸 裕嗣関根 利守小澤 信蜷川 清隆平尾 直久
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抄録
シリカ高圧相は衝突時の温度圧力条件の指標となる。本研究では合成試料をもとに、隕石に含まれるシリカ鉱物のラマンおよびカソードルミネッセンス(CL)測定から非破壊・微小部分析による高圧相の同定と記載を試みる。ラマンスペクトルにおいてザイフェルタイトは密度汎関数理論により得られたラマンシフトと一致する固有のピークを有する。CLスペクトルに対する波形分離解析の結果、ザイフェルタイトから3.79および3.25 eVの発光成分が検出され、スティショバイトからは3.15および3.04 eVの発光成分が認められた。信号消失温度から、天体衝突による生成条件はザイフェルタイトのほうがより高い温度であることが示唆される。また、ザイフェルタイトは粒子の外縁に分布し、他のシリカ鉱物と共生することから、衝突時の温度圧力条件は均質な平衡状態ではなく、ザイフェルタイトに関しては準安定相として産出したことが推察される。
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© 2013 日本鉱物科学会
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