日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2013年年会
セッションID: R6-01
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R6:深成岩・火山岩及びサブダクションファクトリー
北上山地の前期白亜紀アダカイト質岩の多様性とテクトニクス
*土谷 信高
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抄録

北上山地の前期白亜紀火成岩類は,アダカイト質岩を含まない火山岩類,様々なアダカイト質岩と高Mg安山岩金なる岩脈類,深成岩類からなる.深成岩類は,中心相が典型的なアダカイトからなり,周辺相がよりSrに乏しい花崗岩類からなるアダカイト質累帯深成岩体が主体である.それらには,北上帯東縁の石狩-北上磁気異常帯に沿って南北に帯状に分布するもの(E zone)と,磁気異常帯主要部から西側に離れて南部北上帯の内陸部に分布するもの(W zone)とがある.両者の岩石化学的性質にはわずかな違いがあり,E zoneの花崗岩体はW zoneのものよりも僅かに古い.このことから,沈み込みスラブが時代とともに冷却し,W zoneのマグマはE zoneのものより高圧,含水条件下で形成されたものと思われる.またE zoneの花崗岩体の年代は南に向かって若くなっていると判断される.

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© 2013 日本鉱物科学会
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