抄録
酸化的CVコンドライトの変成条件に制約を与えるため,FIB/TEMを用いて,Allende隕石中のコンドリュール交代変成組織の岩石・鉱物学的研究を行った。その結果,コンドリュール中のエンスタタイト斑晶(1次鉱物)がへき開や割れ目に沿ってFeカンラン石およびCa輝石(2次鉱物)に変質し,1次鉱物と2次鉱物の間に特定の結晶学的方位関係があることが分かった。これらの結果から,2次鉱物がエンスタタイトとFe,Caに富む流体との反応によって生成し,エンスタタイト斑晶の割れ目やへき開に沿ってエピタキシャル成長したと考察した。