伊豆弧北西部に位置する新島火山は、流紋岩を主体とする活火山で、少量の玄武岩~安山岩質火山活動があったことが知られている(一色, 1987)。筆者らはこれまで,本地域に産する流紋岩、玄武岩および深成岩捕獲岩類について記載岩石学的・岩石化学的研究を進めてきた(たとえば、遠藤ほか,2010)。今回の発表では、本地域より産するハンレイ岩質捕獲岩について記載岩石学的研究、鉱物の化学組成分析、全岩化学組成分析等を行なった結果を報告し、新島火山におけるハンレイ岩の起源や生成過程、および関連するマグマの性質や分化過程について議論する。