日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2014年年会
セッションID: R8-P09
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R8:変成岩とテクトニクス
ラマン地質温度圧力計の構築:ザクロ石斑晶中の 石英とジルコン包有物が保持する残留圧力からの制約
*纐纈 佑衣田口 知樹
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抄録
ザクロ石斑晶中に含まれる石英とジルコン包有物が保持する残留圧力をラマン分光分析によって検出し、それらの鉱物がザクロ石に包有された温度圧力条件を算出する試みを行った。試料は、四国中央部三波川帯別子地域の高圧変成岩Quartz-Eclogiteと、イタリア西アルプスLago di Cignana ユニットの超高圧変成岩Garnetiteを用いた。測定によって得られた残留圧力値から算出された温度圧力条件は、高圧変成岩では先行研究で報告されている熱力学モデルを用いた結果とよく一致した。一方、超高圧変成岩では、温度条件は一致したが、圧力条件が一致しなかった。超高圧変成岩に対しては更なる検討の必要があるが、ザクロ石中の石英とジルコン包有物を組合せる事によって、ラマン分光法を用いた変成温度圧力条件の制約は可能であり、新たな地質温度圧力計として適用できる可能性が示された。
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© 2014 日本鉱物科学会
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