日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2014年年会
セッションID: S1-03
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S1:火成作用と流体
塩水が島弧下マントルへイオン半径の大きい 親石元素を運ぶ
*川本 竜彦三部 賢治Bureau HélèneReguer SolennMocuta CristianKubsky StefanThiaudière Dominique小野 重明小木曽 哲
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抄録

花崗岩またはジェーダイトメルトと水流体の間のPb、Rb、Srの分配係数を高温高圧蛍光X線その場観察によりソレイユ放射光実験設備で求めた。水流体/メルトの分配係数は圧力または塩濃度とともに増大し、特にPb、Srは塩水には分配されるが、塩素がない系では水流体にほとんど分配されない。筆者たちは、スラブからマントルウェッジに超臨界流体が付加し、上昇途中でマグマと水流体に分離し、それぞれにマグマを発生させる仮説を提案している(Kawamoto et al. 2012 PNAS)。この時、スラブ起源の超臨界流体には塩素が含まれ、水流体に塩素のほとんどと、アルカリ元素とPbの多く、アルカリ土類元素などの一部が分配されると考える。本実験結果は、従来指摘されていた島弧マグマの微量成分元素の多様性に必要な2種類のスラブ成分(Elliott et al. 1997 JGR)の共存をうまく説明できる。

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© 2014 日本鉱物科学会
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