共振法は試料の固有振動数を測定し弾性定数を決定する方法である。一個の試料で全結晶弾性を測定できる点で超音波法にないメリットがある。従来は測定周波数領域が5 MHz程度であったため、2mm程度の試料サイズが必要であった。2009年頃より測定周波数の向上に取り組み、50 MHzまで動作可能なトランスデューサを開発した。その結果、200mm程度の鉱物結晶試料での弾性測定が可能になった。2011年には本技術で特許を取得した。これまでに、“高周波共振法”というネーミングで、高圧相単結晶であるステショバイトや捕獲岩中のインクール―ジョン結晶(クロムスピネル)等の測定を行った。ステショバイト単結晶は岡山大学地球研で高圧合成したものである。今後は、含水フォルステライトの結晶弾性の測定を予定している。本講演では、高周波共振法の概要を解説し、今後の鉱物科学分野での共同研究開始のきっかけとしたい。