日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2015年年会
セッションID: R3-13
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R3:高圧科学・地球深部
新しい鉄酸化物Fe7O9とその固溶体(Mg,Fe2+)3Fe3+4O9の発見
*新名 良介Bykova ElenaOvsyannikov SergeyMcCammon CatherineKupenko IlyaIsmailova LeylaDubrovinsky Leonid
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抄録

鉄酸化物は物質科学、地球科学、あるいは工業において根源的に重要な化合物である。今回我々は新しい鉄酸化物、Fe7O9 (Fe3+/Fe2+ = 4/3)とそのFe2+-Mg固溶体、(Mg,Fe2+)3Fe3+4O9を報告する。この相はマルチアンビル装置を用いて、24-26 GPaにおいて合成された。単結晶X線回折測定の結果、どちらの相も単斜晶系の空間群C2/mに属すことが分かった。これは既知の鉄酸化物いずれの構造とも異なるものである。メスバウアー分光法の結果は単結晶X線回折測定の結果と調和的であった。この新しい相の発見は、高圧下において鉄酸化物が従来考えられていたよりも多様な混合原子価状態を取りうることを示唆している。かつて提案されたFe2+1+nFe3+2O4+nグループから類推すると、Fe2+3±nFe3+4O9±nグループもまた、ある温度圧力酸素雰囲気下において安定であるかもしれない。

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