セレンは自然界に広く存在し,有毒性を持つ為,環境基準指定項目となっている.MgOは地表環境で準安定相であり,水溶液中でブルーサイト(Mg(OH)2)やハイドロマグネサイトに変質する.MgOが水溶液中で亜ヒ酸に対して有効な除去能力を持つ事が報告されている(Yang Liu et al. 2011). 収着実験はイオン強度0.01,初期亜セレン酸濃度2μM,固液比2g/Lとし反応させた.各反応時間で懸濁液のpH,液相のCa,Mg,Se濃度,固相の鉱物相同定を行った.測定結果よりスペシエーション分析と関連鉱物の飽和指数を計算した. MgOは24時間で完全にMg(OH)2に変質した.懸濁液のpHは3時間の時点で10.58であり,徐々に低下した.収着したSeは3時間後の試料で最も高く,その後も液相のセレン濃度は60時間後でも排水基準値(0.1ppm)以下を維持した.