日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2015年年会
セッションID: R4-P01
会議情報

R4:地球表層・環境・生命
モノハイドロカルサイトと共存するMgの存在状態
*鈴木 雄真福士 圭介大野 剛小川 雅裕山川 庸芝明高橋 嘉夫
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

モノハイドロカルサイト(CaCO3・H2O: MHC)は主にMg/Ca比の大きい塩湖での産出が報告されている。筆者らはCa、Mg、CO3の濃度を細かく設定した合成実験から、MHCの生成にはMg炭酸塩の共生が必要であることを示した。本研究では、MHCや含水Mg炭酸塩の合成実験と合成物のXAFS測定からMHCと共存するMgの存在状態を明らかにすることを目的とした。XAFS測定の結果、MHCのMgのXANESスペクトルは、 Mg含有量の多いMHCは非晶質Mg炭酸塩(AMC)と形状が類似し、含有量の少ないMHCはアラゴナイト中に含まれるMgのスペクトルと形状が類似した。AMCとアラゴナイトのMgを端成分としたXANESパターンフィッティングを行ったところ、 MHCのMgは、アラゴナイト中のMgと同様にMHC鉱物内部に含まれるMgとMHCとは別相で共存するAMCの混合物だと考えられる。

著者関連情報
© 2015 日本鉱物科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top