細菌とalbiteを付着させ, 結晶表面, 化学組成, 結晶構造の変化を捉えることを目的とした. 細菌は, 筑波大学構内の土壌から単離した. ablite(Minas Gerais, Brazil)の粉末を散布した普通寒天培地上で, 細菌を28℃, 4日間培養し, TEM-EDSで分析を行った. その結果, 細菌付着粒子はalbiteの回折パターンを示した. また, 細菌付着前後で結晶外形に目立った変化はみられなかった. 細菌付着前後の鉱物粒子のNaK線強度(INa)をSiK線強度(ISi)で規格化した結果, INa / ISi=0.167(12)であった. これは細菌付着前のalbite(INa / ISi=0.216)と比較してNa濃度が低下したことを示す. これらのことから, 細菌の付着によりalbiteは結晶性を維持したままNaを溶脱した可能性が示唆される.