日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2015年年会
セッションID: R4-P04
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R4:地球表層・環境・生命
透過型電子顕微鏡を用いた土壌中細菌の斜長石風化作用に関する研究
*田村 知也興野 純
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抄録

細菌とalbiteを付着させ, 結晶表面, 化学組成, 結晶構造の変化を捉えることを目的とした. 細菌は, 筑波大学構内の土壌から単離した. ablite(Minas Gerais, Brazil)の粉末を散布した普通寒天培地上で, 細菌を28℃, 4日間培養し, TEM-EDSで分析を行った. その結果, 細菌付着粒子はalbiteの回折パターンを示した. また, 細菌付着前後で結晶外形に目立った変化はみられなかった. 細菌付着前後の鉱物粒子のNaK線強度(INa)をSiK線強度(ISi)で規格化した結果, INa / ISi=0.167(12)であった. これは細菌付着前のalbite(INa / ISi=0.216)と比較してNa濃度が低下したことを示す. これらのことから, 細菌の付着によりalbiteは結晶性を維持したままNaを溶脱した可能性が示唆される.

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© 2015 日本鉱物科学会
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