本研究は、オパール-AGがα-石英に変化するという続成作用でシリカの結晶構造が変化するメカニズムを解明することを目的とした。試料となる珪藻を滋賀県余呉湖で採取し、研究室で培養した後、放射光X線回折とラマン分光分析で構造を解析した。放射光X線回折実験の結果、珪藻殻はオパール-AGを示す典型的な広いピークを示した。ラマン分光分析の結果、珪藻は高温高圧環境に置いた直後にオパール-CTに相転移し、さらに高温高圧状態を維持することでα-モガナイトとα-石英に相転移した。この結果は、堆積岩で観察されるシリカの続成作用とほぼ一致している。