原始太陽系星雲の形成条件に制約を与えるため、コンドリュール再現実験が行われてきた。コンドリュールの組織を再現した実験条件から円盤内部の環境を推定できる。Nagashima (2006) はガスジェット浮遊炉という試料と装置が接触しない系を用いた。本研究ではこの装置で放射状輝石コンドリュールを再現する実験を行った。加熱温度は1600-2400℃で、冷却速度は104-106K/hr程度であり、浮遊にはArを用いた。化学組成は天然の放射状輝石コンドリュールを模擬した。実験試料は、光学顕微鏡とSEMで観察し、一部の試料はSPring-8にて3次元構造測定を行った。 冷却速度は105-106K/hr、結晶の成長速度は10-2-10-1mm/秒の場合、放射状輝石コンドリュールに近い構造が再現に成功した。そのため、コンドリュール形成は10-102sec程度のイベントであったことが示唆される。