日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2015年年会
セッションID: R5-05
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R5:地球外物質
炭素質隕石の反射スペクトルの鉱物学的評価: C型小惑星の水質変成の特性化を目指して
*佐藤 勇大中村 智樹仲田 愛里松岡 萌
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抄録

真空型FT-IRを用いて、水質変成度や構成鉱物が定量的に求められている17種類の南極産CMコンドライトの反射スペクトル測定を行い、層状珪酸塩鉱物を特徴づける3µm吸収帯と0.7µm吸収帯の変化と鉱物学的データを比較した。3µm吸収帯の吸収位置と水質変成度には弱い相関が見られ、水質変成度が大きくなるにつれて、吸収位置が短波長側にシフトする傾向が見られた。しかし、中間の波長域では水質変成度の幅が広く、必ずしも全てのサンプルが上述した傾向に従うわけではないことが分かった。 一方、0.7µm吸収帯の深さについては、水質変成度との相関は見られず、また、マトリクスの層状珪酸塩鉱物におけるFe2+とFe3+の割合との相関も見られなかった。 これらの結果は、C型小惑星の反射スペクトルと比較することにより、C型小惑星の水質変成の特性や表層に存在する含水鉱物の状態を把握出来る可能性を示唆している。

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© 2015 日本鉱物科学会
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