日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2015年年会
セッションID: R6-P08
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R6:深成岩・火山岩及びサブダクションファクトリー
栃木県宇都宮,鹿沼および茂木地域に分布する中新世苦鉄質火山岩類の岩石学的研究
*清水 隆一川野 良信
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抄録

栃木県宇都宮地域には中新世火山岩類が広く分布し,下位の風見山田層は安山岩質の陸上火山活動に由来し,上位の大谷層は流紋岩質の水中火山活動である.両火山岩の放射年代から本地域では15 Maに火山活動の変遷が認められ,日本海拡大との関連が示唆されるため,本地域のマグマの成因を明らかにすることは重要である.
一方,宇都宮周辺の鹿沼,茂木地域にも中新世火山岩類が分布しており,これらは下位の苦鉄質岩と,上位の珪長質岩が認められ,宇都宮との共通点が多い.3地域の苦鉄質火山岩について全岩化学組成を比較すると,ハーカー図では主成分が類似した組成を示し,1つのトレンドを形成する.このことから3地域の苦鉄質火山岩は類似の起源物質から生成され,結晶分化作用によって形成された可能性が示唆される.ただし,鹿沼や茂木地域の火山岩は微量元素の分析値が少ないため,今回新たに分析を行い,その結果を加えて岩石学的な考察を行う.

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