日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2015年年会
セッションID: S2-11
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S2:岩石─水相互作用(共催:資源地質学会)
ネパールヒマラヤ、ダンクッタ地域MCT下盤側における変成同時の流体活動に伴って形成された電気石の組成的特徴
*河上 哲生酒井 治孝佐藤 活志
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キーワード: 電気石, ホウ素, 流体, ヒマラヤ
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抄録
ネパール東部ダンクッタ地域のMCT下盤側に分布する泥質片岩中の、電気石の組成変化を調べた。通常の泥質片麻岩中の電気石リムの組成は、変成度が上昇するにつれ、Mg/(Mg+Fe2+)[=XMg]、Ca/(Ca+Na)が高くなり、Xサイトの空隙が減少する。一方、藍晶石帯に産する電気石脈中の電気石の組成は、脈からの距離に応じて変化し、脈中の電気石は高いXサイトの空隙を有し、XMgがほぼ一定であるが、脈から数cm離れた箇所の電気石は、低いXサイトの空隙を有し、XMgもばらつく。この組成差は電気石形成時の流体/岩石比の違いを反映し、流体/岩石比が高い状態で形成された電気石は、高いXサイトの空隙を有する可能性がある。電気石を大量に産する泥質片岩中の電気石のなかにも、同様の組成的特徴を有するものがあり、これらも変成同時の流体流入に伴って形成された可能性が高い。
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© 2015 日本鉱物科学会
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