日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2016年年会
セッションID: R5-02
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R5:地球外物質
Cr, Mn, Fe, Ni K吸収端のXAFS法によるStevns Klint産K-T境界粘土層における巨大隕石衝突、風化と沈殿の検証
*宮野 優美子本宮 秀朋鳥羽瀬 翼奥部 真樹吉朝 朗
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キーワード: K-T境界粘土層, XAFS法, XANES, EXAFS
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抄録

Stevns Klint K-T境界粘土層中のCr, Mn, Fe, NiのXAFS解析を行った。測定は高エネルギー加速器研究機構(筑波,日本)PF、BL-9Cビームラインで行った。XANESおよびEXAFS解析より、K−T境界層中のCr, Fe, Niの局所構造はそれぞれCr2O3, FeOOH, Ni(OH)2と鑑定できた。隕石衝突時、テクタイトガラスや粉塵に含まれていたこれらの元素は、堆積後に地球表層で風化と続成作用を受けて、ガラス質から安定した水酸化物、酸化物に変化している。しかし、同じ鉄属であるMnは二価であり、MnCO3の局所構造を有していた。これまで、Mnの異常濃集が他の鉄属と異なり認められていなかったのは、Mnが炭酸塩固溶体、あるいは生命の必須元素として生命活動により、拡散したことで解釈できることを明らかにした。

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© 2016 日本鉱物科学会
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