日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2016年年会
セッションID: R5-13
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R5:地球外物質
Miller Range 09ペアとReid 013 Brachinite隕石の鉱物学的研究
*長谷川 輝三河内 岳
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抄録

始原的エコンドライトの1グループとされるBrachiniteであるReid 013とBrachinite-likeな隕石とされるMiller Range 090206/090340/090405について岩石鉱物学的研究を行なった.その結果,これらの隕石を構成するカンラン石にb軸が集中する結晶方位定向配列が見つかった.b 軸集中のカンラン石結晶方位配列は地球上の集積岩によく見られるものであり,これらの隕石が母天体で集積岩として形成されたと考えられる.Brachinite では,Elephant Moraine (EET) 99407 と Allan Hills (ALH) 84025 中でカンラン石の結晶方位定向配列が報告されており,集積岩として形成されたと考えられている.しかし,EET と ALH に見られるパターンは c 軸集中であり,MILs や Reid 013 の b 軸集中とは異なる.これらの隕石は共に集積過程を経験したと考えられるが,カンラン石の結晶方位配列パターンが同一ではない.その差異がどのような形成プロセスの違いに対応しているのかをさらに詳細に調べる必要がある.

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