日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2016年年会
セッションID: R6-02
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R6:深成岩・火山岩及びサブダクションファクトリー
早池峰-宮守オフィオライト中の超苦鉄質貫入岩から推定する融解機構とオルドビス紀マントルの熱状態
*木村 皐史小澤 一仁飯塚 毅
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抄録

オフィオライトの形成率は一定ではなく、オフィオライトパルスと呼ばれる高形成頻度の時期が存在する。オフィオライトパルスは、巨大火成活動に関連づけられる単純なスーパープルームモデルでこれまで説明されてきたが、オルドビス紀に巨大火成活動の報告はないこと、オルドビス紀パルスには島弧型のオフィオライトが卓越すること等を説明できない。オフィオライトパルスが記録した熱史の解明には、個々のパルスについて熱状態を求めることが必要である。本研究では島弧場テクトニクスの複雑性とメルト組成推定の困難を克服し、貫入岩脈を用いたマントルポテンシャル温度の推定手法を確立した上で、オルドビス紀パルスを構成する早池峰−宮守オフィオライトから~1360℃と現在のMORBに近いマントルポテンシャル温度を推定した。さらに地球化学的情報とあわせて融解機構を減圧融解と特定し、ポテンシャル温度が沈み込みスラブ下のマントルの熱的状態を代表することから、~500Maのマントルは現在に近い熱状態であることを明らかにした。

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