日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2016年年会
セッションID: R6-04
会議情報

R6:深成岩・火山岩及びサブダクションファクトリー
オマーンオフィオライトのマントルかんらん岩から推測されるマントルウェッジの酸化還元状態
*高澤 栄一谷 雅史Satish-Kumar Madhusoodhan赤坂 正秀田村 芳彦
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
オマーンオフィオライト北部フィズ岩体のマントルセクション岩を用いて,マントルウェッジの酸化還元状態を検討した。かんらん岩に含まれるカンラン石とスピネルの化学組成からBallhaus et al. (1991) の計算式を用いてdelta log fO2 (FMQ)を算出した。その値をFizh岩体の地形図上にプロットしたところ,東部のモホ面側でより酸化的に,西部の基底スラスト面側でより還元的になることが分かった。delta log fO2 (FMQ)が低くなるほど全岩のV/Sc比が上昇する負の相関も確かめられた。Fizh岩体マントルセクションの最下部が還元的となる要因として,沈み込んだ還元的な堆積物の溶融で生じた還元的なメルトとマントルかんらん岩の反応が考えられる。このことはdelta log fO2 (FMQ)値の低い試料が全岩および単斜輝石でともに比較的高いTh/Ce比を持つ傾向とも調和的である。
著者関連情報
© 2016 日本鉱物科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top