日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2016年年会
セッションID: R7-06
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R7:岩石・鉱物・鉱床一般(共催:資源地質学会)
マントルウェッジでの流体による白金族元素の運搬
*石丸 聡子ボリソバ アナスタシア田村 明弘荒井 章司
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抄録

カムチャツカ弧の火山フロントに位置するアバチャ火山からは多量のかんらん岩捕獲岩が産することが知られている。アバチャ火山直下のマントルは,スラブ由来の流体の浸入によって促進された高程度の部分溶融を経験しているだけでなく,様々なマントル交代作用を受けていることが分かっている(例えば,Ishimaru et al., 2007; 石丸 2011)。Ishimaru and Arai (2008)では,細粒かんらん岩中に異常にニッケルに富むかんらん石が観察され,ニッケルと硫化物に富むメルトとの交代作用によって形成される過程を記載した。その交代作用に関与したと考えられる物質は現在ニッケルと鉄,硫黄に富む変質鉱物(Fe-Ni-Sクレイ)に変質しており,同時に,白金族元素に富んでいることがわかった。 しかし,共存する硫化物は全く変質して居らず,その解釈については疑問が残っていた。本発表では,ニッケル交代作用を引き起こした物質について再考した結果について報告をおこなう。

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