日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2016年年会
セッションID: R1-P15
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R1:鉱物記載・分析評価
山口県喜多平鉱山産オースティン石
*白勢 洋平延寿 里美上原 誠一郎中武 俊郎
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抄録
山口県喜多平鉱山から本邦初産のオースティン石を見出した。亜鉛の含有量に応じて格子定数が大きく異なり,最もオースティン石端成分に近いものの格子定数は直方晶系,a = 7.483(4),b = 9.039(6),c = 5.920(4),V = 400.4(3)となった。小球状-膜状集合内の組成ゾーニングが顕著であり,内部はオースティン石組成であるが,縁辺部ではコニカルコ石組成となるものが多い。また,リンを少量含むことが特徴的であり,縁辺部にて最も大きくなる。Zn/(Zn+Cu) = 0.21-0.91,As/(As+P) = 0.82-0.97の組成幅を持つ。最もオースティン石端成分に近い領域の化学組成の平均値は,(Ca0.97Cd0.01)Σ0.98(Zn0.86 Cu0.11)Σ0.97(As0.97P0.05)Σ1.02O4(OH)となる。共生する粘土鉱物はいずれもソーコン石であり,その化学組成の平均値はCa0.18(Zn2.37 Fe0.31Cu0.16Mg0.13)Σ2.97(Si3.39Al0.72)Σ4.10O10(OH)2·4H2Oであった。
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