抄録
Acfer 094炭素質隕石は、プレソーラー粒子を多く含み、母天体での変成の痕跡がほとんど見られないことから、最も始原的な隕石の一つと考えられている。我々はこれまでに、始原的隕石の集積形成過程の解明を目的として、放射光X線CTを用いてAcfer 094炭素質隕石の3次元構造を調べ、この隕石のマトリックスは空隙率や組成の異なる複数の岩相から構成されることを明らかにした。それらの岩相のうち、最も空隙率の高い岩相(岩相1)は、XCT像から推定される組織がCP-IDPとよく似ている。本研究では、岩相1およびその他の岩相について詳細なTEM観察を行い、それぞれの変成度や形成過程の解明を目指した。