抄録
日本産ジェダイトは、最高級とされるビルマ産インペリアル・ジェダイトに比べると透明度に欠けるものの、その希少性と天然の特徴により非常に貴重な宝石とされている。今回の研究では、新潟県糸魚川・青海地方および鳥取県若桜地方で産するジェダイトを、着色元素及び鉱物相によって次のようにいくつかの色のタイプに分けた:白色、緑色、ラベンダー、青色、黒色。糸魚川・青海産の白色のジェダイトは純粋なヒスイ輝石に近いものであった(Xjd=98)。緑色のジェダイトはXjdの値が98~82の範囲であった。緑色のジェダイトにおけるCaOの最大濃度は5wt%、着色元素はFeおよびCrであった。ラベンダーの試料はヒスイ輝石成分がXjd=98~93で、TiO2およびFeOtotに富み、そしてMnO成分に乏しい傾向があり、青色のジェダイトは最も高いTiO2濃度0.65wt%を示し、Xjd範囲は97~93であった。若桜産の青色ジェダイトでは97~91で、同様に高いTiO2濃度を示した。