抄録
大広鉱山は羽越地域の田川酸性岩類に胚胎している。本格的な採掘実績はないが、Pb, Cu, Zn, Bi等を産する。羽越地域の調査中に深度300mのボーリングコアを入手できた。
XRDの結果、セリサイト化変質(e.g., Lowell & Guilbert, 1970)を広く受けていた。
本鉱床が生じた要因には次のことが挙げられる。
・酸化的な花崗岩質マグマが地下浅所(約100 MPa以浅)に貫入した。
・貫入固結のP/Tは約700℃、100 MPaとなり、さらに分離した流体が静岩圧から静水圧に変化することで沸騰を起こし、高塩濃度流体を生じた。