日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2018年年会
セッションID: R8-09
会議情報

R8:変成岩とテクトニクス
紀伊半島三波川変成帯低変成度部から新たに見出されたバロア閃石を含む高変成度苦鉄質変成岩とその意義
*平島 崇男加藤 亮吏
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
紀伊半島北西部の三波川帯南縁部に位置する御荷鉾帯はパンペリー石-アクチノ閃石相当と考えられている (栗本, 1986a, b)。しかし、紀伊半島北西部の御荷鉾帯に属す毛原層(東部)と生石(おいし)層(西部)は泥質片岩を主体とし、緑色岩を主体とする他地域の御荷鉾帯と異なっている。
Kato & Hirajima (2017)は、毛原層の南西部から見出したバロワ閃石を含む苦鉄質変成岩の生成条件(> 480℃, 0.6GPa)は毛原層より高温条件であり、何らかのプロセスで毛原層と合体した後、パンペリー石-アクチノ閃石相当の低温条件下で再平衡したと報告した。
本研究では、同様のバロワ閃石を含む苦鉄質変成岩を、毛原層の露頭から約2km西方の生石層から新たに見出した。本講演では、新たに見出したバロワ閃石を含む苦鉄質変成岩の鉱物組成や鉱物組み合わせについて紹介するとともに、低変成度域で見出された高度変成岩の意義について紹介する。
著者関連情報
© 2018 日本鉱物科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top