抄録
ざくろ石のケリファイト化の速度をケリファイトに接するざくろ石外縁部に発達する累帯構造の幅とざくろ石の拡散係数を用いて定常拡散モデルを適用することで求めた。用いたサンプルはロンダかんらん岩中のざくろ石かんらん岩、ざくろ石輝岩;チェコボヘミアと西ノルウェーのざくろ石かんらん岩である。得られた速度は岩体の上昇速度より遙かに速いものであった。ざくろ石のケリファイト化を免れている部位に発達するゾーニングを差し引くことで冷却の効果を差し引き、また得られた時間が定常状態に達するに要する時間よりはるかに長いことから上の定常モデルの妥当性が保証された。