日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2018年年会
セッションID: R1-03
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R1:鉱物記載・分析評価
鉱物粒界近傍の歪解析を目指した電子回折マッピングの試み
*伊神 洋平三宅 亮
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抄録
局所的な格子歪の定量評価を目指して、汎用TEM装置を利用した電子回折マップデータの天然試料からの取得を試みた。また、組織観察との比較により、当手法の鉱物の分析における有用性を検討した。試料には、浅間火山にて採取された珪線石-ムライト共存粒子(Igami et al., 2018)、および奈良県天川村産の離溶ラメラ組織を持つレインボーガーネット(下林ら2005)を用いた。これらは、異なる二相がコヒーレントな界面を持って共存している試料である。電子回折マッピングには、汎用TEMとCCDカメラを用い、細く平行に絞った電子線を試料上で走査しつつ電子回折像を自動取得した。得られた電子回折マップデータセットにおいて、任意の回折を用いた明視野像・暗視野像の構築が可能であることを確認した。次に、回折スポット間距離から面間隔マップを作製したところ、浅間山試料では珪線石-ムライト境界が可視化でき、~数%の格子定数の差が明示できることが分かった。一方、ガーネット試料の面間隔マップでは、高次ラウエ帯の反射を用いた解析により、ラメラ/ホストの識別に加え、ラメラ近傍の歪分布も可視化することに成功した。
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© 2018 日本鉱物科学会
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