三重県山田鉱山からウエリン石の産出を確認し、その結晶構造を検討したので報告する。ウエリン石はMn2+6(W6+,Mg)2(SiO4)2(O,OH)6という組成式が提案され、a = 8.155, c = 4.785 A,空間群P63またはP3が報告されている。山田鉱山産のウエリン石は√3 × 3の超構造を示し、a = 14.074(3) and c = 14.455(3) A, 空間群R3である。単結晶X線構造解析の結果、先行研究で提示された平均構造に対して、Wサイトの1/3が周期的に空孔となった超構造であることが判明した。