抄録
ジルコノライトは理想構造式CaZrTi2O7で表される希少な酸化鉱物である.東南極,セール・ロンダーネ山地から,イットリウムに富むジルコノライトを発見した.このジルコノライトを含む岩石は,グラニュライト相変成作用を受けた,Mg-Alに富みSiに乏しいスカルンである.このスカルンには様々な種類のZr, Ti, REE, U-Thを含む鉱物がみられる.それらはウラニナイト,ポリクレース(Y),ジルコン,バデレイ石,ゲイキ石,ルチル,マグネシオヘグボマイト2N4Sなどである.このジルコノライトは非常にCaに乏しく,REE・U・Th・Nbなどに著しく富んでいる.Caのサイトの8割以上をREEが置換しており,その化学構造式は(REE, U, Th) (Zr, Hf) (Ti, Al, Fe, Mg)2 O7で表される.