抄録
岡山県布賀鉱山で、島崎石を主体とするホウ酸塩鉱物集合体から、島崎石とその周囲の晶出石灰岩との間に, priceite, uralborite, calciborite, kurchatovite などとともに,粒状あるいは脈状として、やや灰色を示すvimsiteを見出した。VimsiteはCaB2O2(OH)4組成のホウ酸塩鉱物である。VimsiteはCaB2O2(OH)4組成のホウ酸塩鉱物で,ロシアのウラル山脈で初めて発見され,Shashkin et al. (1968)によって示された。なお、日本ではvimsiteの産出は初めてである。EPMAによって得られた分析値をもとにO=6として求めた実験式は、(Ca0.992 Mg0.009Fe0.003Mn0.001)Σ1.005 B1.995 O1.993 (OH)4.007であり、粉末X線回折によって得られた格子定数は、a=10.021(10), b=4.434(7), c=9.618(15)A,β=91.205(2)°であった。