日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2018年年会
セッションID: R1-P11
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R1:鉱物記載・分析評価
山口県美祢市長登銅山烏帽子坑における鉱石鉱物とスカルン鉱物
*永嶌 真理子森下 幸菜
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抄録
山口県美祢市には長登銅山,大和鉱山などの銅スカルン鉱床が存在する.本研究は,長登銅山と大和鉱山の鉱石鉱物およびスカルン鉱物の特徴と特異性を明らかにするために,長登銅山烏帽子坑のズリから採取された鉱石の鉱物組み合わせとそれらの化学組成を検討した.烏帽子坑鉱石からは輝コバルト鉱,黄銅鉱,黄鉄鉱,キューバ鉱,銅藍,自然蒼鉛,斑銅鉱,閃亜鉛鉱,輝蒼鉛鉱,錫石,含Ag鉱物,含Te鉱物,魚眼石などが同定された.岩石組織より,早期に輝コバルト鉱,早期~中期に黄鉄鉱,黄銅鉱,含Bi鉱物,黄銅鉱晶出後の中期~後期にかけて斑銅鉱が産し,その後含Ag・Te鉱物が晶出し,最末期にK,Fに富む流体により魚眼石が形成されたと考えられる.大和鉱山産鉱石で主要である黄銅鉱や黄鉄鉱は,烏帽子坑鉱石では少量かつ限定的である.両鉱床の相違性は於福花崗岩と花の山花崗斑岩に由来する熱水化学組成の違い反映している.
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