日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2018年年会
セッションID: R2-10
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R2:結晶構造・結晶化学・物性・結晶成長・応用鉱物
含Ti 誘電体ペロブスカイトの電子密度分布の圧力変化
*山中 高光Muhtar AhartHo-kwang Mao中本 有紀
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抄録
ペロブスカイト構造VIIIAVIBO3を持つ物質には強誘電体として工業利用されているものが多い。BaTiO3やPbTiO3はTiがVIBサイトに位置し常温常圧で強誘電相正方晶(I4/mcm)を示す。高圧状態で斜方晶(Cmcm)の常電相に転移する。第一原理計算や色々な弾性実験がなされてきた。本実験では高圧下、電子状態の変化を明かにした. DACを利用し、PFのBL-10Aの四軸を用いて単結晶構造解析を行った。マキシマムエントロピー方法によって電子密度分布の圧力変化を12GPaまで行った。また55GPaまでの粉末回折実験を行なった。単結晶構造解析から得られたd-p-p混成電子密度のを明らかにした。有効電荷の圧力変化qは測定電子密度分布r(r)からPbTiO3ではqPb= +1.74 qTi = 2.92 qO= -1.55, BaTiO3ではqBa= +1.91 qTi = 2.79 qO= -1.57 となった。誘電性を制御する電子分布の圧力変化を解明し、加圧により電子密度が局在化してイオン化すること、d-p-p混成は圧力の上昇により、減少しparaelectricのcubic相では消滅することが明らかになった。
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